2016年05月01日

西成特区構想考(2)-4

なぜ、西成特区を打ち出したか

参考4:大阪府市行政の認識を見るために参考とした大阪市会での答弁

1994(平成6)年1118日 平成5年度決算特別委員会(準公営・一般)平成6年101112月】

 松岡徹市会議員から、「労働センターをめぐりましてトラブルがあったということです。−その後の経過と現在の現状というものをちょっと聞かせていただきたい」と問われて、

◎三島民生局福祉部保護課長 ことしの夏の動きでございますけれども、団体が何グループか集まりまして釜ヶ崎の反失業連絡会というものをつくりまして、大阪府と大阪市に対しまして要求行動をとる。その要望の内容は、高齢者の雇用対策を打てということと、緊急に野宿者対策をやれという、大まかにいえば2点だった

野宿者問題に絡んで、大阪府の方が野宿者が出ている問題については、それは民生の問題だ、大阪市に行けというような回答−、団体の方からは、それは違う、仕事がないから野宿してるんだと。そういう認識であれば大阪府ともう話しない−仕事を出しております労働センターの方とのやりとりということになりまして、6月27日に200名ぐらいの労働者と労働センターで徹夜に及ぶ交渉という形になりまして、当然決着しないわけですから、労働センターにそのまま居座ると。

松岡徹市会議員から、「抜本対策を考えるために府市懇であいりん地区総合対策検討委員会が設置されると。この中に書いてあるんですが、労働分野は府、福祉分野は市という縦割り行政の弊害や場当たり的な対応が目立ったこれまでの施策のあり方を反省、初めて中長期的なプランもつくると。新聞記事によりますとそういうふうになってる」と問いかけられて

◎河野民生局福祉部長 検討委員会の設置につきましては、今月の1日に市長と知事の間で合意を見たところでございまして、その構成、あるいは検討課題というものにつきましては、これから府市の担当部局で詰めてまいるという予定−抜本的な対策ということの見出しがたいテーマでございますので、検討には3年程度を要するのではないかというふうに考えておりますが、できることならば、中間報告という形で、当面の課題等についてはいただければというふうに考えております。

さらに、松岡徹市会議員から、「あいりんの姿、将来像、10年後、20年後のあいりんをどうするのかということであります。あいりん地区のああいう状態というのは、もう30年以上も前からあるんですね。あの状態なんです。しかも、今の情勢を見ていきますと、一体どないなるんやということなんです。」と問いかけられて、

◎足立民生局長 ただいま松岡委員の方から、あいりん問題につきまして、あらゆる角度からご質疑、あるいはご提言をいただきました。民生局の仕事、非常に幅広い領域を担当しておりますし、どの問題をとりましても非常に緊急度の高い、また解決の困難な課題ばかりでございますが、とりわけあいりん対策につきましては、なかなか方向性が見きわめにくく、いかにすべきか、本当に頭を悩ませておるところでございます。

期待しておりますのは、あいりん地区総合対策検討委員会におきまして、これからの地域の将来像、あるいは当面の問題につきまして、有識者の方々のご意見をぜひとも賜りたい、また、つきましては、市会の皆様方のご意見もちょうだいしながら、国にも働きかけ、今後、国、大阪府、大阪市の3者が相協力してこの問題に対応してまいりたいと考えておるところでございます。

 

2006(平成18年)1215日 12月臨時会常任委員会(民生保健)】

 澤野雅洋市会議員から、「173平方メートルの住居に3,300名もの住民登録があったという報道がございました。これは、市民感情からは、やはりあってはならない」「大阪市全体の問題、一区の担当者の問題ではなしに、大阪市の全体の問題として受けとめていただきたい。この点につきまして、健康福祉局長のまず感想を」と求められて

◎白井健康福祉局長 健康福祉行政に携わる者といたしまして、あいりんの課題は−長年の経過の中で、保健衛生上の課題、また住環境を初めとする環境整備上の課題、その他、地域の安定阻害要因としての課題など、複雑で大きな地域社会課題となっておりますほか、本市の生活保護行政実施上の課題や、野宿生活者問題と大きく深く関連した課題となっておるという認識−

昭和40年代後半より、本市のあいりん対策連絡会議のもと、市会の御理解、地域の御協力もいただきながら、更生相談所事業であるとか、社会医療センターにおける無料低額診療であるとか、越年対策事業でございますとか、結核対策、一時保護や就労支援など、さまざまな対策を実施してきておりますが、根本的な解決には至っていないのが現状

このあいりん対策連絡会議を、関係する局がより効果的に連携いたしまして施策を進める必要があるとの観点から、平成1710月に、それまで5分科会の構成であったものを、福祉・医療分科会、それから住宅・まちづくり分科会と2つの構成にいたしまして、それぞれの局がその分科会に参画して、より一層効果的に連携して施策を進めるべきだということで取り組んでおるところ−

私どもといたしましても、こうした経過、観点を踏まえまして、より総合的な効果的な施策の推進の一翼を担いまして、問題の解決に当たるように努めてまいりたい

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西成特区構想考(2)-3

なぜ、西成特区を打ち出したか

参考3:大阪府知事の認識を見るために参考とした大阪府議会での答弁

2008(平成20)年0718日 7月臨時会商工労働常任委員会】

 川岡栄一府議から、「あいりん地域に対します認識」を問われて、

◎知事(橋下徹君) あいりん地域は、日雇い労働者が多く生活されており、近年の労働需要の減少や日雇い労働者の高齢化の進展により、厳しい就労環境にあることは認識しております。

 僕も弁護士の仕事でよく西成署へ行ってましたし、あのかいわいの関係の仕事もありましたので、実際にもう何度も−−何度というより、何十、何百ぐらいで行ってますので、よくそれは自分自身の実体験としても感じております。

 このため、出資法人である財団法人西成労働福祉センターにおいては、職業紹介や労働相談を実施するとともに、特別対策事業として高齢日雇労働者特別清掃事業などを実施しております。

 また、地域では、国の支援も受けて、大阪府や大阪市、さらに地元の福祉団体やNPOなどが連携して大阪ホームレス就業支援センター運営協議会を設置し、高齢日雇い労働者の方々のホームレス化の予防に取り組んでおります。

 さらに、地域を潤いのあるまちにするため、公的施設の壁面塗装やフラワーポットの設置など、さまざまな取り組みを地域団体やNPOが中心となって進めているとも聞いております。

 また、大阪府・市、地域が一体となって地域のイメージアップにつなげていく試みが活発化していると認識しております

2010平成22)年-0318日 2月定例会健康福祉常任委員会

 川岡栄一府議から、「西成区内にある中学校の周りで薬物接触のおそれがある注射器が何度も見つかりまして、−橋下知事が言われていらっしゃる、子どもが笑う大阪を実現されるためにも、一度ぜひ現場にまず来られて、生徒さんとか保護者、住民の皆様方の御意見をぜひとも聞いていただき、知事を先頭に薬物の撲滅に取り組んでいただきたいと切に希望します」と呼びかけられて、

◎知事(橋下徹君) 確かに現場で、今宮中学校のところで注射器が発見されたと。−これは生徒がというよりも周囲の大人たちがこういうものを落としていったのか、そういうことであれば最悪の状況だと思うんですが、ただ委員に御理解いただきたいのは、大阪府域内にいろんな事件がありまして、学校内での事件、その他の事件ごとにいろいろじかに話を僕に言いたいという声がたくさんある中で、もし仮に注射器が発見されたというところでここに行きますと、同じような問題のときにいろんなところに全部僕が回らなきゃいけないということになってしまいます。

 ですから、この中身が確かに薬物という問題で、これは基礎自治体の話じゃなく府警も絡むので広域行政の府の問題で知事の問題だと言われるところの理屈はおっしゃるとおりかもわかりませんが、もし住民の環境の問題であればやはりこれは基礎自治体の話でもありますし、また薬物の事件ということになりますと、これは府警の問題にもなってきます。

 そうでありますと、僕の立場で、薬物乱用を防止するということに関連して、広域行政の長としてやらなければいけないそういう取り組み、しつらえ、−を設定できれば、そこでは、僕も大阪府麻薬覚せい剤等対策本部長という−立場で−地元の方との意見交換もしたいと思うんですが、単純に注射器が出たからまず聞きに行くということをやってしまうと、ほかとの問題が出てきます−いうふうに思っております。

posted by kamamat at 08:33| 西成特区構想