2016年04月09日

ブログの名称を変更しました。

「資料室管理人の・・・」という、ブログ名称を、「ヤジ馬通信」と変更しました。
この名称は、20歳代に出していた個人ミニコミの復活です。
今から40年以上前のことになりますが・・・
ブログの投稿も、4年ぶり、まずは手慣らし的投稿再開!
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2012年05月28日

生活保護制度に関する 冷静な報道と議論を求める緊急声明

生活保護問題対策全国会議 代表幹事 弁護士 尾藤廣喜

全国生活保護裁判連絡会  代表委員 小 川 政 亮

1 人気お笑いタレントの母親が生活保護を受給していることを女性週刊誌が報じたことを契機に生活保護に対する異常なバッシングが続いている。

  今回の一連の報道は、あまりに感情的で、実態を十分に踏まえることなく、浮足立った便乗報道合戦になっている。「不正受給が横行している」、「働くより生活保護をもらった方が楽で得」「不良外国人が日本の制度を壊す」、果ては視聴者から自分の知っている生活保護受給者の行状についての「通報」を募る番組まである。一連の報道の特徴は、なぜ扶養が生活保護制度上保護の要件とされていないのかという点についての正確な理解[1]を欠いたまま、極めてレアケースである高額所得の息子としての道義的問題をすりかえ、あたかも制度全般や制度利用者全般に問題があるかのごとき報道がなされている点にある。

  つまり、@本来、生活保護法上、扶養義務者の扶養は、保護利用の要件とはされていないこと、A成人に達した子どもの親に対する扶養義務は、「その者の社会的地位にふさわしい生活を成り立たせた上で、余裕があれば援助する義務」にすぎないこと、Bしかも、その場合の扶養の程度、内容は、あくまでも話し合い合意をもととするものであること、Cもし、扶養の程度、内容が、扶養義務の「社会的地位にふさわしい生活を成り立たせ」ることを前提としても、なお著しく少ないと判断される場合には、福祉事務所が、家庭裁判所に扶養義務者の扶養を求める手続きが、生活保護法77条に定められていることなどの扶養の在り方に関する正しい議論がなされないまま、一方的に「不正受給」が行なわれているかのごとき追及と報道がなされているのである。

  また、そこでは、@雇用の崩壊と高齢化の進展が深刻であるのに雇用保険や年金等の他の社会保障制度が極めて脆弱であるという社会の構造からして、



[1] 生活保護制度における扶養義務の取扱いについての詳細については、別に発表する見解を参照されたい。

生活保護利用者が増えるという今日の事態は当然のことであること、A生活保護制度利用者が増えたといっても利用率は1.6%に過ぎず、先進諸国(ドイツ9.7%、イギリス9.3%、フランス5.7%)に比べてむしろ異常に低いこと,B「不正受給」は、金額ベースで0.4%弱で推移しているのに対して、捕捉率(生活保護利用資格のある人のうち現に利用している人の割合)は23割に過ぎず,むしろ必要な人に行きわたっていないこと(漏給)が大きな問題であることなど,生活保護制度利用者増加の原因となる事実が置き去りにされている。

  さらに、今回の一連の報道は、厳しい雇用情勢の中での就労努力や病気の治療など、個々が抱えた課題に真摯に向き合っている人、あるいは、苦しい中で、さまざまな事情から親族の援助を受けられず、「孤立」を余儀なくされている高齢の利用者など多くの生活保護利用者の心と名誉を深く傷つけている。

 

2 ところで、今回のタレントバッシングの中心となった世耕弘成議員と片山さつき議員は、自民党の「生活保護に関するプロジェクトチーム」の座長とメンバーである。そして、同党が201249日に発表した生活保護制度に関する政策は、@生活保護給付水準の10%引き下げ、A自治体による医療機関の指定、重複処方の厳格なチェック、ジェネリック薬の使用義務の法制化などによる医療費の抑制、B食費や被服費などの生活扶助、住宅扶助、教育扶助等の現物給付化、C稼働層を対象とした生活保護期間「有期制」の導入などが並び、憲法25条に基づき、住民の生存権を保障する最後のセイフティーネットとしての生活保護制度を確立するという視点を全く欠いた、財政抑制のみが先行した施策となっている。

  かつて、小泉政権下においては、毎年2200億円社会保障費を削減するなどの徹底した給付抑制策を推進し、その行きつく先が、「保護行政の優等生」「厚生労働省の直轄地」と言われた北九州市における3年連続の餓死事件の発生であった。今回の自民党の生活保護制度に関する政策には、こうした施策が日本の貧困を拡大させたとして強い批判を招き、政権交代に結びついたことに対する反省のかけらも見られない。

  さらに問題なのは、社会保障・税一体改革特別委員会において、自民党の生活保護に関する政策について、現政権の野田首相が「43.5くらいは同じ」と述べ、小宮山厚生労働大臣が「自民党の提起も踏まえて、どう引き下げていくのか議論したい」と述べていることである。



[1] 詳細は、当会ほか59団体の2011119日付「利用者数の増加ではなく貧困の拡大が問題である〜生活保護利用者「過去最多」にあたっての見解〜」を参照されたい。

そこには、「国民の生活が第一」という政権交代時のスローガンをどう実現していくか、また、「コンクリートから人へ」の視点に基づき、貧困の深刻化の中で、この国の最低生活水準をどう底上げしていくのかという姿勢が全く見られない。

そもそも、生活保護基準については、20112月から社会保障審議会の生活保護基準部会において、学識経験者らによる専門的な検討が進められているのであり、小宮山大臣の発言は、同部会に対して外部から露骨な政治的圧力をかけるものであって部会委員らの真摯な努力を冒涜するものと言わなければならない。

そのうえ、小宮山大臣は、「親族側に扶養が困難な理由を証明する義務」を課すと事実上扶養を生活保護利用の要件とする法改正を検討する考えまで示している。しかし、今回のタレントの例外的な事例を契機に、制度の本来的在り方を検討することなく、法改正を行うということ自体が乱暴極まりない。また、生活困窮者の中には、DV被害者や虐待経験者も少なくなく、「無縁社会」とも言われる現代社会において、家族との関係が希薄化・悪化・断絶している人がほとんどである。かつて、札幌市白石区で25年前に発生した母親餓死事件は、まさに、保護申請に際して、この扶養をできない証明を求められたことが原因となって発生した事件であった。

かかる点を直視することなく、法改正を行えば、ただでさえ利用しにくい生活保護制度がほとんど利用できなくなり、「餓死」「孤立死」などの深刻な事態を招くことが明らかである。小宮山大臣は、国民の生活保障に責任をもつ厚生労働大臣として、マスコミに対して冷静な対応を呼びかけるべき立場にありながら、混乱に翻弄されて軽率にも理不尽な法改正にまで言及しており、その職責に反していると言わざるを得ない。

 

3 今年に入ってから全国で「餓死」「凍死」「孤立死」が相次いでいるが,目下の経済状況下で、雇用や他の社会保障制度の現状を改めることなく、放置したままで生活保護制度のみを切り縮めれば、餓死者・自殺者が続発し、犯罪も増え社会不安を招くことが目に見えている。

  今求められているのは、生活保護制度が置かれている客観的な状況を把握し、制度利用者の実態に目を向け、その声に耳を傾けながら、冷静にあるべき方向性を議論することである。

当会は,報道関係各位に対しては、正確な情報に基づく冷静な報道を心掛けていただくようお願いするとともに、民主党政権に対しては、今一度政権交代時の「国民の生活が第一」の原点に戻った政権運営を期待し、自民党に対しては、今回の生活保護制度に関する政策の根本的見直しを求め、本緊急声明を発表する次第である。

以上

posted by kamamat at 11:59| 日記

2011年10月25日

新着情報

あいりん資料室に、以下の頁を付け加えました。

一度ご覧いただけたら、嬉しいです。

手元資料の、公開方法、未だ模索中。
年表にリンクを張る。事柄でまとめる。色々考えています。
ご助言をいただければ、幸いです。

あいりん学園
http://www.kamamat.org/dantai/airin-gakuen/airin-gakuen.html

過去の活動団体
http://www.kamamat.org/dantai/kako-dantai-1.html
•あいりん子ども研究会
•大阪地区労働者解放戦線釜ヶ崎解放委員会
•「釜族」編集委員会(毛)
•釜ヶ崎医療を考える会
•釜ヶ崎差別と闘う連絡会
•新今・宮小中学校の跡地利用を考える会/釜ヶ崎生活センターを創る会
•創造広場
•南大阪の旗編集委員会
posted by kamamat at 09:06| 日記

2011年10月05日

「釜ヶ崎のススメ」という本の紹介

 20011年10月中旬に、ということはもうすぐですが、洛北出版から「釜ヶ崎のススメ」という本が刊行されます。
 書き手が20人、400頁。様々な角度から、釜ヶ崎が取り上げられています。松繁も書いています。他の人がどんなことを書いているか、私自身、楽しみにしている本です。
 関心を持っていただけると、嬉しいです。
http://rakuhoku.blog87.fc2.com/ 詳しい目次は、左のアドレスで。

新刊案内のチラシです。


posted by kamamat at 13:50| 日記

2011年06月03日

新しく「あいりん資料室」に付け加えた頁

以下のような頁を付け加えました。
 一つは「読み物のページ」です。雑多なものが入っていますが、釜ヶ崎や歴史、福祉制度に関わるものなどが読めます。
 「釜ヶ崎関連の地図紹介」は、今のところ明治・大正期の地図が数枚あります。
 「資料庫」は、1972年当時の小冊子や、「釜ヶ崎越冬の記録」頁(71年以降の日刊えっとうで手元にあるものの紹介)、「釜ヶ崎キリスト教協友会越冬関連資料」があります。
 少しずつ、PDF化して増やしていきます。
 お暇な時に、のぞいていただけたら嬉しいです。

posted by kamamat at 15:43| 日記

2011年02月17日

「あいりん」と「釜ヶ崎」の呼称由来

あいりん資料室のホームページに「基礎知識Q&A」を加えました。
http://www.kamamat.org/kisoqa/kisoqa-index.html

あいりん(釜ヶ崎)地域とはどこをさすのですか
一つの地域でなぜ「あいりん」と「釜ヶ崎」の二つの呼称があるのですか

この二つの Q&A しかまだありません。

「あいりん地域」あるいは「釜ヶ崎」について、こんな事を知りたい、あるいは、こんな事を知らせたら という 提案がありましたら、
kmamat@kamamat.org  まで 知らせていただけると、とても嬉しいです。
よろしくおねがいします。
posted by kamamat at 14:53| 日記

2011年01月21日

2010年「あいりん地区」覚醒剤検挙者数

 1月20日大阪版の朝日・毎日・読売の各朝刊に、大阪府警本部が発表した、あいりん地区内における覚醒剤・大麻取り締まり違反で昨年1年間の検挙状況が掲載されていました。
 今回の発表でいつもと違う点は、検挙者における生活保護受給者の占める割合が把握され、発表されたことだと、報じられています。
 その理由について、毎日新聞は、「不正受給」を、朝日新聞は「貧困ビジネス」をキータームとして挿入することによって伝えようとしていました。
 読売新聞は、発表数字の伝達に限定したように思えます。
 
覚醒剤取締法違反
大麻取締法違反  検挙数
大阪府下 2,881
あいりん地区内 493
あいりん割合 17.1%
 大阪府警察本部のホームページで、昨年1年間の覚醒剤・大麻取り締まり違反の検挙総数を見ると、2,881件となっています。そのうち493があいりん地区ですから、17.1%を占めていることになります。
 この数字が多いか少ないか、他地区、たとえば、梅田とか日本橋とかでの検挙状況が判らないので、判断しにくいのですが、日常見かける売人の姿からすれば、もう少し多くても不思議ではない気がします。
あいりん地区内
検挙者内訳
449人
密売人 44人
合計 493人
 
あいりん地区内
検挙者居住地
大阪府内 340人
大阪府外 153人
合計 493人
 あいりん地区内で検挙されたものが、すべてあいりん地区の居住者であると言うことではないようです。
あいりん地区内
検挙者年代別
50歳代 82人
40歳代 150人
30歳代 143人
20歳代 48人
小計 423人
上記以外
20歳未満
60歳以上
70人
合計 493人
 年代も30歳代、40歳代が多い。あいりん地区は単身男性が多く、平均年齢は50歳代後半だと推計されていますから、この構成年齢は地区の構成年齢比とはかけ離れていると考えられます。
あいりん地区内
検挙者年職業別
無職 299人
会社員 28人
工員 28人
小計 355人
その他不明 138人
合計 493人
 職業は無職が多い。
あいりん地区内
検挙者再初別
再犯 初犯
221人 228人
密売人 13人 31人
合計 234人 259人
 覚醒剤は、依存性が高く、再犯が多い。
総数 生保 生保%
449人 137人 31%
密売人 44人 8人 18%
493人 145人 29%
 検挙者の中に占める生活保護受給者、客・密売人の双方に見られますが、客の方に多いようです。
 この中で、あいりん地区内で生活保護を受給中の人数や大阪市以外で受給中の人数は不明です。
 あいりん地区には生活保護受給者が多い(おおざっぱいってに9000人)ことが知られていますが、その中の何人が検挙者の中に含まれているかどうか不明です。9000人の中の最大145人最小0人の間であることは確かでしょうが・・・。
 覚醒剤の売買が良くないことであることは、日本と言わず、多分世界共通だと思います。あいりん地区だけのことではない。
 問題は、あいりん地区が全国に知れ渡った販売拠点になっていることです。そのことを、あいりん地区に特化した大阪府警本部の発表は示しています。警察のなおいっそうの取り締まり強化が必要です。
 また、困窮の事実に基づいて生活保護を受給している人の中には、覚醒剤の依存症によって経済的困窮にいたり、生活保護受給となった人もいます。そのことを生活保護制度運用者は良く認識し、覚醒剤の再使用に至ることがないよう依存克服プログラムを準備する必要があることも示しています。
 生活保護受給者が「もう、人生の終わり」と投げやりな気持ちにとらわれないような環境作りも必要だと思います。
 新聞を読んでの感想でした。
 なお、表は読売新聞記事中パーセントで示されていたものに基づいて作成しました。ですから、警察発表の元数字とは、1人はずれている可能性があります。
posted by kamamat at 09:59| 日記

2010年12月16日

あいりん資料室管理人のブログ開設ご挨拶

あいりん資料室管理人のブログです。
「あいりん資料室」とはなにか?
興味を感じられた方は、下記をクリックしてみてください。

http://kamamat.org

まだ、つくったばかりで、内容はほとんどありませんが・・・。

「釜ヶ崎資料室」といってもよいような・・ですが・・・

 おいおい「あいりん」「釜ヶ崎」の由来についても紹介したいと思っています。

 管理人は、松繁逸夫と申します。

 釜ヶ崎資料センターのホームページもありますが、すべてこちらに移していくつもりです。
 勿論、新しい情報を付け加えて。ご期待ください。
posted by kamamat at 15:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記